自民党崩壊は「逆風」じゃない、必然の流れだ [政治]

もはや、与党に「お灸を据える」なんて生易しいものではなくなっている。自民候補者は選挙終盤になって腹の底から湧いてくる異様な危機感に慄いているようだ。

言ってはならない禁句も出始めた。「比例は民主でもいい、小選挙区だけは何としても私に・・・」、こんななりふりかまわない言動に変ってきた。「助けてください」とか「人生最大の危機」とか、民主候補の悪口しか言っていなかった自民候補者の口から出る言葉が変ってきた。

しかし、決して民主党フィーバーになっている訳じゃない。小泉以後、阿部・福田が政権を投げ出した挙句、麻生さんが政権にしがみついて解散を延ばしに延ばしてきたにもかかわらず、「責任力」とか言って、反省もないまま民主党の悪口ばかり言っている自民党の無責任さに呆れているのだ。「自民党じゃだめだ」という確信を国民が持った、ということだろう。完全に自民党の自滅だ。

自民党候補者は盛んに「逆風」と言うが、これは風じゃない。政権に胡坐をかいて、党利党略と私利私欲に明け暮れてきた自民党の「終りの始まり」の必然の流れなのだ。それが国民に解ってきた、だけのことだ。官僚の言いなりに政治をやってきただけじゃないか。官僚の手先になって偉そうに振舞っていただけじゃないか。政党として、完全に「消費期限切れ」、ということだ。

既に敗色濃厚で、野党として出直すには総裁を誰にするか、なんて話題が始まっている、とか・・・。舛添、加藤紘一、鳩山邦夫など名乗りを上げているとか、いないとか。しかし、選挙後に自民党が同じ形で残っているとは思えない。議席が三分の一に減ってしまうのだ。新しい風が起こり、再編に向けて動き出すのだろう。


「最高裁裁判官国民審査」は国民を愚弄するシステム [政治]

いよいよ総選挙が近づいてきた。形勢は一方的で面白くないのか、テレビの報道もどうも湿りがちだ。それはともかく、総選挙にいつもくっついてくる「最高裁裁判官国民審査」というのがメッチャ気に入らない。

辞めさせた方がいいと思う裁判官に「×」をつけろ、というのだが、見たことも聞いたこともない人をどう評価しろ、というのだろうか。選挙公報を見ると、弁護士出身だったり、元々下級判事から上がってきたような人もいれば、立派な経歴の元次官なんかもいる。こういう人たちが最高裁判事に適任なのか履歴書で判断せよ、というのか。判らんから殆どの人が白紙で出すと、国民審査で承認された、と勝手に解釈されてしまう。法律で決まっているようだが、こんな形だけの出鱈目なシステムは政権交代したら、改まるのだろうか。

私なんか、判断が出来ないから、いつも全員に×をつけている。しかし、白紙で出そうと、×をつけようと、国民の意思は全く反映されていないのだ。形だけ整えればいい、という官僚の考えそうな、国民を愚弄するシステムと思えてならない。

総選挙の時に、ついでにやらずに、ちゃんと独立させるべきだよ。テレビなどで公開討論をするとか、抱負を国民に語りかけるとかして、国民に判断材料を与えた後に、国民に白黒を判断させればいいじゃないか。多分、国民の関心が薄いので、総選挙と別に投票すると、極端に投票率が落ち、国民審査の意味がなくなる、というのが本音だろう。しかし、それは仕方ないよ。国民の関心を高める努力をしていないのだから・・・。裁判員制度も始まっているじゃないか、もっと国民にアピールするようなシステムに変えないと、国民の目線に合った政治が出来ないよ。こういう所も民主党は見ているのかな・・・。

「金がなきゃ結婚するな」なんて言っていいの、麻生さん [政治]

麻生さんの発言の言葉尻を毎回毎回捉えるのも大人げないが、彼の空気の読めない発言には呆れるばかりだ。

都内の学生主催の集会で少子化問題に関連した学生からの「若者に結婚資金がなく、結婚の遅れが少子化につながっているのではないか」、との質問に答えたものだ。「そりゃ金がねえなら結婚しない方がいい。うかつにそんなことはしない方がいい。金がおれはない方じゃなかったけど、結婚遅かったから。稼ぎが全然なくて尊敬の対象になるかというと、なかなか難しい・・・」受けを狙った発言だろうが、麻生財閥の自分を引き合いに出すなんて、若者の反感を買うだけだよ。不況下で就職難の若者らの気持ちを逆なでする発言だ。

特に少子化問題を議論する場じゃないか。まず必要なのは、就職難の学生や派遣切りなどで就職できない若者の救済だろう。更に言えば、金がなくても結婚できる、子育てできる社会を構築することだろう。「結婚資金がない・・・」という質問に対し「無いならやめとけ」なんて、酷すぎる発言だ。

河村官房長官は「若者の就職対策を進めなきゃいかんという思いが表現として出たのではないか」と釈明したが、もしそうなら、表現力がいかにも貧弱と言わざるをえない。麻生さんは受けを狙った発言はしないほうがいいよ。表現力が弱いんだから、野党につけ込まれるだけだよ。

民主党からは「いま働こうと思っても仕事がない。そういう皆さんが考えてほしいと言った時に『金がないのに結婚するな』と言う。総理を続けてほしいと思う人は沖縄に一人もいないと思う」、共産党の志位委員長は「多くのワーキングプアをつくった責任を感じないのは政治家失格だ」、社民党の福島党首も「非正規雇用が増えたのは政治のせい。自己責任にするのは政策を理解していない」と語った。野党から怒涛のように批判されちゃうが、当の麻生さんにとっては、「蛙の面にしょんべん」かも知れないし、あと5日ほどで与党の立場とも「おさらば」だから、どうでもいいのかな。

こんなに民主が大勝していいのか [政治]

余り早く大優勢が報じられ、政権交代必至と言われると、長い選挙戦の間に風向きが変りかねないことを危惧して、民主党幹部は昂ぶる気持ちを抑えてきたように見える。しかし、一向に風向きが変らない。

民主大躍進の声はますます強まる一方だ。朝日で300議席は確保するだろう、との報道に、まさかそこまでは、と言っていたら、毎日が320議席を越す勢い、と報じた。自民党は下手をすると100議席を割り込む、なんて信じられないような数字も出てきた。そうなれば、民主党は候補者が殆ど当選することになるし、自民党の大物が次々と落選することになる。05年の郵政選挙の裏返しとなる。

民主党は北海道、岩手、新潟、福井、山梨、長野、愛知、滋賀、奈良、和歌山、長崎の11道県ですべての小選挙区を制する勢い、という。自民党が05年選挙で23勝1敗だった東京では優勢なのは3選挙区だけと言われている。保守地盤の強い茨城、群馬などでも大物前職が民主党候補にリードを許している。小選挙区は、前回の219議席から大幅に減らし、60議席台も厳しい情勢というではないか。比例でも50議席を割り込む可能性が出ていて、歴史的な大惨敗が現実になってきた。まさに「オセロ現象」と言うべきか。自民にお灸を据える、一度下野して謙虚になれ、という意味で今回に限り民主に投票する、という人も多いだろうが、これでは自民党は壊滅して再起不能になる。

それにしても、民主党がこんなに勝っていいのだろうか。民主党は衆院選後、社民、国民新両党と連立政権を組む方針を示しているが、衆院の3分の2以上を占める大勝となれば、連立の意味は余りなくなる。全ての提出法案は参院で否決されても単独で再議決が可能となる。ちょっと不安ではある。

多分、自民や公明などの野党の力が細くなっていくだろうから、国民の直接監視が必要になるだろう。国民が政治に関心を持つ、という意味ではいい方向性になる可能性もある。しかし、国民の期待は「二大政党」が互いにチェックし合い、より「国民のため」を競い合う、というものだったはずだが、ちょっと思惑が外れそうだ。




幸福実現党って何? [政治]

300の小選挙区と比例代表11ブロック全てに候補者の名前が並んでいる「幸福実現党」って一体何だ。全選挙区に候補者を立てるなんて、自民党にも民主党にもできない、吃驚したよ。

党総裁は「幸福の科学」の大川隆法というので、「幸福の科学」のページを少し覗いてみた。大川総裁は東大法学部卒の結構エリートなんだ。特別代表としてドクター中松の名前もあった。幹部の名前がずらっと並んでいるが、他には知っている名は無かった。北朝鮮への対応を中心に安全保障を重視しているような内容だ。

ひとたび隣国からミサイルを放たれたら、誰を守ることもかないません。幸福実現党は、国民の生命・安全・財産を守ります。この国と国民を守るために、北朝鮮とどう向き合うか。200発以上のミサイルを日本に照準を合わせ、核の準備まで進めている。そんな国に、常識は通用しません。打ちこまれてからでは遅いのです。早急に防衛体制を築き、核・ミサイルを阻止しなければ。憲法九条を見直し、真の平和を手にしたい。

何かちょっと危険な思想のような気がする。「防衛体制を築き、核を阻止する?」それで平和を手にすることが出来ると思っているのだろうか?「立党の趣旨」として、宗教の衣を着た軍国を作るために政治力が必要なんだ、と主張しているようにも取れる。どうも宗教が絡むと、厄介でよく解らん。それでも言っていることがこれ程ブレまくって困るんじゃないの。

7月22日に大川総裁は「幸福の科学」を母体とする政治団体「幸福実現党」を結成し、自分が党総裁に就任したことを発表した。そして、300小選挙区と比例代表11ブロックすべてに候補者を立て、比例代表東京ブロックの名簿1位で立候補する、と表明した。

その後、饗庭広報本部長が記者会見し、「あえて身を引くことも選択肢の一つ」と説明し、一部の小選挙区で保守系勢力との連携を探ることも検討している、と話した。更に、大川総裁が予定通り出馬するかどうかについては、「検討中」とした。

少しトーンダウンしたかと思ったら、大川総裁が「全面撤退する方針に転換した」、と発表したのだ。小選挙区を中心に最大50人程度減らすことを検討している、というのだ。15日には、大川総裁が比例代表東京ブロックからの出馬をとりやめたと発表した。しかし、党総裁は続けるという。

ところが、16日になって、大川総裁が比例近畿ブロックの名簿1位で立候補すると発表した。前日に不出馬を発表したばかりなのに、またすぐ撤回では、何が何だか訳が解らない。安全保障問題で自民党と近いために、自民党から働きかけでもあったのだろうか。単独でパフォーマンスしても意味が薄い、とでも思ったのか、それとも、立候補予定者の名を連ねて話題になったことで、ある程度の目的は達したのかも知れないね。

それにしても、お騒がせだけでは困るよ。



















「自民党の選挙は子供のままごと」と舛添氏が切る [政治]

「情勢は極めて厳しい。更に厳しいのは厳しさを理解していない候補者が多すぎることだ」、と舛添厚労相は自民党の立候補予定者の選挙活動を「子どものままごと」と苦言を呈した。

確かに自民党候補者の中には危機感が乏しい候補者もいるだろう。しかし、かなりの候補者は危機感を通り過ぎて、藁にもすがりたい気持ちだよ。解散当時の議員が半分くらいは戻ってこれない状況は誰が見ても明らかなんだから・・・。今、危機感が乏しい候補者なんか、いないと思うよ。もし、そんな候補者がいたら、やめちゃえよ。

舛添氏は「子どものままごととしか思えない感じの選挙をやられている方がいる。人気のある大臣が来たら、俺だって受かるだろう、と思っているかも知れないが、そんな甘いもんじゃない」とばっさり。更に、「そういう状況を執行部がきちんとみて、しかるべき指導をしないと・・・」と批判の矛先は執行部にまで及んだ。

いつから、そんな偉そうなことを言うようになったのだ。少し舞い上がってはいないか。麻生降ろしのムードが高まる中で、総裁候補として名前が上がったからか、知名度の高さから、森元総理など大半の候補者から応援要請があり、引っ張りだこだったからか。自分が総裁になったような気持ちでいるようだ。応援要請に対し、全部行くのは不可能としながらも、当落線上で競り合っている候補を中心に回る予定だ、そうな。麻生サンの立場は考えないの?ちょっと偉そうすぎないかな。




 

豊橋市長の軽率発言 [政治]

「民主党の新人が当選しても何の役にも立たない」いくら豊橋市長選で支援してもらったとは言え、市長として片方の陣営にこんなに肩入れしていいのか。

愛知15区から立候補の山本明彦氏の苦戦が報じられている情勢の中で、民主党新顔の森本氏を牽制する発言だが、いかにも軽率な気がする。佐原市長は国交省港湾局出身で、山本氏の働きかけで昨年11月の豊橋市長選に自民党推薦で立候補し、初当選した。市長選の恩義に報いて、山本氏の支援をするのは当然かも知れないが、個人的意見と前置きしてはいるが、「民主党の新人議員では何の役にも立たない」とはいかにも言い過ぎだろう。

国との太いパイプを持つ自分が山本議員と連携して、公共事業を積極的に展開する、と強調していただけに、本音が出たのだろうが、市長はもっと市民のことを考えて発言すべきだよ。国政が民主党政権になったら、どうするつもりなんだよ。自民党に殉職するつもりなら評価してもいいけど、新政権にへつらう、のでは考えちゃうね。いくら豊橋市の生まれとはいえ、国交省出身の悪いイメージはあるのだからね。


中川昭一サン、酒を絶ったってダメだよ [政治]

「もうろう会見」で大失態を演じ、麻生政権の足を引っ張った中川昭一前財務相が後援会の総決起大会で、「日本のため、皆さんのために酒を断つ」と断酒を宣言したとか・・・。

冗談じゃない。何で酒のせいにするんだ。酒が悪いんじゃなくて、あなたの資質が足りないのが解らんのか。日本のためと言うなら、「消えて無くなれ」と言いたい。親父と親交が深かった三宅久之氏に「お酒をやめなさい」と諭されたようだが、政治家の前に人間として失格だ、という普通の人の声が聞こえないのか。後援会で支持者に囲まれ、ご満悦かも知れないが、再起を期すなら、もっと世間の風に当るべきだ。酒を止めるより、もっと人間を磨いて出直すべきだね。

今度の総選挙で苦戦が報じられているが、当然だよね。このまま当選したら、有権者の良識が疑われると思うよ。公約が「断酒」では・・・、ね。親父の「七光り」で、とにかく主要閣僚を務めることが出来た。サミットへ出席することも出来た。この辺が限界だよ。一度、落選して頭を冷やした方がいいかもね。

「予算のムダ」は官僚自身に任せていい訳ないだろ [政治]

財務省が各省庁に指示した「予算のムダの洗い出し」、は何とも下らんパフォーマンスだ。「自分で自分の首を締めよ」と言われて、「ハイ、解りました」という奴なんかいる訳ないだろ。

10年度の予算編成で、財務省は各省庁に自ら「予算のムダ」を洗い出すよう促し、8月末の概算要求に合わせ、見直した結果を公表させる、というものだ。自民、民主両党のマニフェストでの「ムダの削減」に先手を打つ狙いなんだろうが、官僚社会で自浄作用が働くようなら、何も苦労はしないよね。

09年度、各省庁では「レクリエーション費」を原則廃止するなどの「ムダの削減」に取り組んできた。しかし、こんなのでごまかされないよ。ムダの核心に触れるのを避けるための「目くらまし」に過ぎないことは解っていることだ。ムダの本丸は「天下り」であり、「縦割り行政」であり、「官僚の人事制度」なのだ。「官僚優遇のシステム」自体なのだ。官僚の連中が必死に守ろうとしている所が最大のムダな部分なのだから、外部からの強烈な圧力が必要なのだ。今までの自民党も一様に「ムダの根絶」と言ってきた。しかし、言っているだけでムダが無くなれば苦労はしないよ。政府の政策は官僚が作っているんだから、根本的に官僚が不利になるようなことをやるはずがない。その点からも政権交代は最小限必要だね。

民主党のマニフェストでは、特別会計を含む総予算207兆円の内、9.1兆円を節約する方針だ。ゼロベースで見直しが出来れば、楽に出せる数字と思う。しかし、何と言っても官僚の抵抗があるのだ。今まで彼らは自分たちのことを、国民に奉仕する「公僕」なんて思っちゃいないよ。自分達が政治家を操って日本を動かしてきた、という自負がある。それゆえに、何で民主党ごときに今まで構築してきた「官僚システム」を壊されなきゃいけないのだ、と正面から衝突しないまでも、仕事を通じて主張するに違いない。

今回の総選挙は自民党VS民主党の構図だが、選挙後は民主党VS官僚になることは間違いない。下手をすると、血を見るかも知れないし、早々に民主党が空中分解して政界再編の嵐が吹き荒れるかも知れないね。その時の台風の目はやはり、「官僚」なのだろうか。


麻生サン、「保守」の強調のし過ぎはヤバイよ [政治]

「日本を守る、責任力」麻生サンはいったい、何から何を守るつもりだろうか。「日本の文化や伝統・教育など守るべきものは守る」と言い、「家庭や地域を守る」とも言っている。私には「総理の椅子」を守りたいだけに見えるがね。

麻生首相は総選挙に向けて地方遊説をスタートさせた。河村官房長官は「いよいよ天下分け目の戦いだが、オウンゴールだけは避けてもらいたい」と、麻生首相が演説や論戦で頑張り過ぎて、失言をしないようにくぎを刺した。ただでさえ、麻生サンに来てもらって逆効果にならなければいいが、と思っている陣営にとっては気が気ではないだろう。

今回、麻生サンは「保守」という言葉を何度も繰り返している。離れつつある保守支持層にアピールするためだろうか。民主党の「革命的な総選挙」という言葉に対抗してか、「私は日本の持っている価値観を根底から変える革命をする気はない」と言う。しかし、大多数の国民は大変化を望んでいるのではないだろうか。

教育問題に絡め「学校でも自民党の党大会でも国旗を掲げている。民主党の党大会で国旗が飾ってあるのか、私たちは保守に誇りを持っている」との発言だ。更に、安全保障については「民主党は北朝鮮の船の検査をする法案の審議を引き延ばし、流した。安全保障政策がフラフラしている政党に日本の安全は任せられない」と民主党を強く批判した。政治や社会の仕組みを大きく変えようとする民主党との違いを強調し過ぎるとヤバイよ。そろそろ、失言が出そうな雰囲気もあるし、ね。



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