昭和の怪物「稲盛さん」に期待 [経済]

いよいよ今日JALが会社更生法の適用を申請する。裁判所の管理下で再生支援機構が主導し、3年以内の再生を目指し、JALは大きな転機を迎える。

再生計画では2011年度には500億円の黒字を見込む、とある。しかし、現在、8676億円の債務超過に陥っている企業がそんなに簡単に立ち直ることが出来るだろうか。15000人もの大幅なリストラと不採算路線の減便を急ぐ余り、安全が犠牲になったら元も子もない。

稲盛氏が会長に就任することで、過去の「親方日の丸」体質は改善されることは間違いない。7つもの組合が乱立する社内事情の複雑さもその内整理されるだろう。しかし、一発事故をやらかしたら、おしまいだ。安全を充分確保しながら、リストラを断行し、社内融和を図って、短時間に黒字に転換、そんな神業が可能なんだろうか。さすがの稲盛さんでも、どうかな・・・。

しかし、稲盛さんは無給で再生役を受ける、と言っている。他の経営者も赤字の内は高給をもらう訳にはいかないだろうし、慣例だった天下りも無くなるだろう。経営陣のクリーンさが内外に浸透すれば、社員やOBも協力しない訳にはいかない。長期間にわたって、皆から食い物にされてきたJALがやっと体質改善の方向に向うことは確かだろう。期待したい。少々、期限が延びてもいいじゃないか。今は、着実に改善の方向に向うこと大事なのだ。拙速だけは何としても避けるべきだ。


妖怪の住まないJALに出来るか? [経済]

山崎豊子の「沈まぬ太陽」を読んでみて、JALの実態の酷さに改めて驚いた。まさに魑魅魍魎の世界だ。政権交代により実態が明らかになりつつあるのは評価すべきだろうが、この責任は誰がとるのだ。

航空会社という公的企業をいいことに、政治家、官僚、経営陣、従業員、OB、株主それぞれがJALにたかり甘い汁を吸い放題に吸い尽くしたのだ。赤字が出れば税金を投入すればよく、政治家と官僚がつるんでいれば、何とでも言い訳出来る。

放漫経営を野放しにし、税金をいいように投入して私腹を肥やす、そんな悪たちが責任も取らずにのさばっているのが現実なのだ。今回の法的整理で徹底的に膿を出して欲しいものだが、どうも難しそうだ。本当はJALだけでなく、日本の航空行政をメチャクチャにした責任は途轍もないものだと思うがね。

経営再建のためグループ従業員は15000人の大幅リストラで、この不況の中で苦境に陥る人たちが多い出るだろう。株主は今日時点で7円まで下がった株価に大損だ。しかし、経営者は退任するだけだし、企業年金の積立金が足りなくなるほど優遇されているOBは年金額が30%減るだけだ。政治家や官僚に至っては、過去のことは全くお咎めなしになりそうだ。何か、片手落ちの気がするが、そこまで言う方が無理かな。

稲盛さんがCEOを受けそうなので、彼に期待するとしよう。豪腕そうなあの人なら何かやってくれそうな気がする。とにかく全てをオープンにして妖怪の住まないJALにして欲しいものだね。

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