政権交代の前に手を打った?公務員の給与削減勧告 [行政]

国家公務員の給与削減を人事院が勧告した。それによると、国家公務員一般職の09年度給与は月給を0.22%、ボーナスを0.35カ月分引き下げる、というものだ。

官民格差を解消するために、やっと人事院が重い腰を上げたものだが、人事院の独自の調査では、民間の平均給与が39万907円で、公務員の平均給与より863円低い、というのだ。だけどね、公務員の平均給与が民間よりたった863円高いだけ?な訳ないだろ。民間の調査の対象が、かなり恵まれた大企業の正社員に限定されているのではないか。塗炭の苦しみを味わっている中小企業の従業員や年収200万円を下回ると言われている多くの非正規社員を対象に入れると、はるかに低い数字が出ることは間違いない。

官民格差を解消しようという動きは必要だろうが、こんな作られたような数字を基準にされてはたまらない。政権交代があるとしたら、こういう官のごまかしを徹底的に暴いてもらうことも期待したい。公務員の優遇され過ぎている現状を是正しろ、と言っているだけだし、政官のもたれあいの構図を崩して欲しいのだ。自治労に後押しされている民主党に出来るかどうか・・・。

更に、09年度のボーナスは4.15カ月分となり、4.2カ月分という64年度の水準まで落ち込む見通し、と言う。でもね、国家公務員は国という組織の従業員に相当するんだろ。国が借金まみれになっている時に、それでも年間4ケ月以上のボーナスをもらうんだよ。普通、借金で首が回らない企業ではまずボーナスは出ないよ。首切りもないし、どんな不況になったって、大企業の平均的なレベルの給与が保証されているなんて、許せないね。国の財政が再建されるまでボーナスはなし、再建後にボーナスをしっかりもらう、というのはどうだろう。努力もない、成果もない、それなのに報酬だけは安定してもらう、でいいのだろうか。

人事院は今回の給与削減をかってない大幅引き下げ、と言うが、一般会計ベースで1330億円ぽっちしか削減にならない、というではないか。政権交代した場合、人事院だって、当然見直しの対象になるのだ。だから、本格的な見直しをされる前に、予め手を打った、と勘ぐりたくもなるよ。

裁判員制度スタートに思う [行政]

全国初の裁判員による裁判が始まっている。もし、自分がその立場だったら・・・、なんて考えながら注目している人も多いだろう。

裁判員制度は平成16年に成立した「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」によって5年後の平成21年5月21日から始まったもので、国民に裁判員として刑事裁判に参加してもらい、被告人が有罪かどうか、有罪の場合どのような刑にするかを裁判官と一緒に決める制度だ。狙いとしては、国民が刑事裁判に参加することにより、裁判が身近で分かりやすいものとなり、司法に対する国民の信頼の向上につながることが期待されている。

要は、現在の裁判は非常に専門的で解りにくく、やたらに時間がかかっている。世間知らずの頭でっかちの裁判官の判断が果たして正当なのか、という疑問も出始めている。そこで、裁判官の信頼性を補う意味で国民にも参加してもらおう、というのが制度設計のスタートだったと思う。

しかし、本職の裁判官にとっては、当然専門家としての自負があり、素人に何が解るのか、と思っているに違いない。穿った見方かも知れないが、裁判官が殆どお膳立てをして、争点を設定した上で、ほんの一部を裁判員に判断させ恰好をつける、そんな風に考えているのではないか。基本的には3日間の結審期間しかないのだから、色んなことを検討する時間はある訳ない。だから、裁判官が犯罪の全体像を裁判員に説明し、結論を誘導する流れになるだろう。たとえば、量刑の多寡を検討する程度のことと思っているのだろう。

ところが、実際にやってみると、裁判員が犯罪の全体像を把握するのは、裁判官の説明だけでは不十分、ということが徐々に解ってきた。単なる事件の背景だけでなく、被告の生い立ちや生活環境など把握しなければならないことがたくさんあるのだ。また、事件を起こした加害者が悪いに決まっているが、被害者側の落ち度は無かったのか、とか、市民が自分の生活と照らしてみて、考えさせられることは山ほどありそうだ。

ささいなことから隣人を殺した被告は、とんでもない大悪人のように見えるが、自暴自棄になっている時に、近くの人を憎しみのターゲットにしてしまう気持ちは、解らない訳でもない。しかし、それがどの程度の情状酌量の意味があるのかの判断も難しい。今回の事件はご近所トラブルが昂じて被告が一方的に被害者を殺害したような説明だったが、被告の主張では、被告は被害者に挑発され、生活保護の受給を馬鹿にされたと言う。しかし、被害者の声は聞けないため、事実は解らないままだ。

被告は殺害直後、自分の口座から4万円を下ろしたと言う。「警察に行くにあたって金が必要だから。差し入れしてくれる人がいないから自分で用意した」と哀しい説明をした。そんな孤独な状態のまま、刑務所で老いていく、罪は罪だが、何かやりきれない思いもある。

こういう一見、単純そうに見える事件でも、奥は深いのだ。素人の裁判員がほんの片手間に携わっていいのだろうか。一般市民が犯罪を裁く、なんておこがましいことではないだろうか。それも量刑を判断するだけならまだしも、有罪で死刑を宣告しなければならないような事案になれば、自分ならどうするだろう。やる以上は裁判官のほんの補助、とは思いたくないし、死刑を宣告するそんな責任も持てそうもない。困ったね。

積立金運用の巨額赤字は誰の責任? [行政]

厚労省は08年度の年金積立金の運用により、厚生年金は10兆余の赤字、国民年金は1兆余の赤字で過去最大の赤字となった、と発表した。

税収が40~50兆円しかないというこのご時世に、この巨額損失は何としたことだ。単に、損失が出ました、で済むと思っているのか。昨年秋からの金融危機の影響と言うが、前年度も厚生年金が5兆5909億円の赤字、国民年金が7779億円の赤字だった、というではないか。社会保障などの財源がない、と言われている時に、こんな杜撰な資金管理をされてはたまったもんじゃない。

経済の低迷が長期的に続いた場合、運用損失が膨らみ、将来の給付水準が下がる可能性がある、というではないか。誰が運用の責任者か解らず、多分、誰も責任をとらないのだろう。一説によると、運用担当は殆ど素人で外部の投資期間に丸投げしている、という話もある。わざわざ人件費を使って巨額な損失を出すような運用は誰のために、何のためにやっているのだ。

こんないい加減な社保庁や厚労省に大事な年金の資金を勝手に運用されてはたまらない。年金の原資は完全に社保庁に食い物にされている。民主党が政権を取ったら、まず運用の責任体制をオープンにしてもらいたい。その上で適正な運用手段を再構築すべきだ。

それはそうと、官僚は厚生年金と国民年金を勝手に運用し、積立金をじゃぶじゃぶ使い込んでいる。しかし、自分達が給付される共済年金には何故か手を付けない。それだけリスクが大きい、と思っているのだろうか。勝手なものだ、国民を愚弄するのもいい加減にせよ。





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